Posted by on 2019年5月27日

おかげ様で先日、無事に終えることができた梁上げ。
今回はそのオマケ的な投稿になります。

現在建築中のうちみるの家の面積はおよそ100m²。 そういう大きさになってくると、桁も10mを超える長さになってくるわけでして、 4mくらいの木材を3本継ぎ足したりします。

木材同士を足して繋ぎ合わせる「継手」(つぎて)ってやつです。

これまたなかなかに大変な加工でして、初めてやったときは一つの継手を完成させるのに 丸一日かかったりしたものですが、そんな苦労をしてまでやる必要があるほど素晴らしい強度を生み出します。

今回の建築では、極厚の古材を継ぐ場合は「台持ち継ぎ」か「腰掛け鎌継ぎ」。 通常の10cmの角材を継ぐ場合は「金輪継ぎ」か「大栓継ぎ」か「腰掛け鎌継ぎ」。
…というようにルールを決めて取り掛かりました。

例)追掛台持ち継ぎ
例)腰掛鎌継ぎ

さて、ここからが本題です。

こちらの画像は新居の北側、トイレと縁側が位置する部分の桁を立ち上げたところです。 (ヤグラのおかげで一人でできました)

桁の継手は「金輪継ぎ」(かなわつぎ)です。
図のように組み手同士の中央に隙間を設け、余裕を持って組んだ後にその隙間に込栓(こみせん)を打ちこみ、がっちりテンションを張って固定します。
組み手の先端部分に「追っ掛け」と呼ばれる突起をつけることでズレを防ぎます。

図解「金輪継ぎ」

僕はさらにキリで2箇所穴を開け、そこにトドメの込栓を打ち込みます。
多少の負荷じゃビクともしない、木だけで組んだとは思えないほどの強度です。

まぁ、うちのように廃材で作って、さらには1年放置しちゃったような部材を実際現場で 組むときは、下の画像のようにいろんな方向からクランプで締め付けながら組まないとハマらないこともしばしば_笑

木は硬いようで、柔軟に曲げることもできる、何とも魅力的な資材です。
多少のズレや歪みも、ある程度までなら矯正できます。

ここでちょっと注目です。
通常の金輪継ぎであれば、この組まれた中央部分の隙間に込栓を打ち込んでがっちりテンションを効かせて固定させるのですが、何とも私、豪快に加工をミスってしまいまして…
こいつに込栓を打ち込もうものなら、お互いがピッタリ固定されるどころか、どんどん離れていって分解されてしまうのです_笑

こいつの一体どこが間違っているのでしょうか?
もちろん本職の方々なら、すぐに分かちゃうかと思います 。

ちなみにこちらが正解の継手。

間違えた継手を前に私、最初は込栓をコンコンと打ち込んで「何で離れていくんじゃ〜?!」ってしばらく悶絶…

やっと原因が判明したものの、深い絶望感に駆られておりましたが、いや待てよ、込栓を別方向から打ち込めば「大栓継ぎ」みたいなもんなんじゃないかー!と奮起しました。

大栓継ぎと金輪継ぎの仕口って結構似てるんです^^

図解「追掛大栓継ぎ」

真ん中に変な隙間はできちゃうけどね_笑
でも、ここに込栓を入れちゃいけません。
継手が離れる方向に力が働きます。
気になる隙間だけどそのまま我慢ガマン…

そんなミスもなんだか楽しい日本在来建築の深み。
新たな気づきってイイですね☆

こんなの、人様のお家の施工仕事でやらかしてたら大問題ですが、これは廃材で建てる自給自足の我が家。
自分自身が満足できればいいのです_笑

そんなわけでまだまだ続く「うちみるの家づくり」、乞うご期待ください!

そうそう、継手の間違い部分はこちらでした↓ 分かりました?!

斜めの切り込み角度が逆になると、働く力も逆になっちゃうんですね(ToT)
以後、気をつけます!

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