先週あたりから日中でも氷点下が続き、夜はマイナス10℃にもなっておりまして、これまで控えめにしていた雪も徐々に降り始めました。
我が家がある南部町は雪国:青森県なのにあまり雪が積もりません。
ですが多少なりとも雪かきをしないとなると、やはりなにかと不便をきたします。
ウチではまるで畑の畝立てをするかのように、こんな感じで雪を遠くまで捨てず寄せてまとめておきます。
地面を出しておくと太陽熱で雪解けが始まり、運が良ければこのまま数日で雪はなくなってくれます。
地表が雪だと太陽光を反射して気温も上がってくれないし、いずれ氷に近い根雪になって除雪が困難になります。
畝間は車1台入るくらいの空きがあるので来客があっても駐車できますし、畝が高くなってきて邪魔になってきたらこの畝間に軽トラを入れ、両畝から荷台に雪を積み込んで敷地内の崖の下にドドーッと落としちゃいます。
まぁ手抜き雪かきです_笑
(しかし、地面を出すようにマメに除雪してます!)
さて、外で過ごすにはめっきり寒い時期ではありますが、次から次へと体を動かしていれば案外凍えるような事態にはならないもので、今だに素手で木材の寸法を出して墨付けしたり、電動工具と昔ながらの道具を織り交ぜながらゴリゴリと家づくりのための作業を進めてます。
氷点下でも素手で作業ができるということは、指先までの毛細血管がちゃんと機能している証拠ですね^^
人間てやつはもはや野生動物には敵いませんが、こうした本来持っている生命維持能力があります。
もちろん使っていないと失われてしまいますが(*^^*)
高気密&高断熱の住宅の石油暖房でヌクヌクとテレビを見て過ごすのも幸せの一つかと思いますが、私にとっての幸せは、こうした先祖が持っていた偉大な力を継承して使うことだったりします。(そこにさらに現代の技術と独自のアイデアを融合させたりするのも◎)
家をつくるということもその幸せのひとつです。
最近はもっぱらココで過ごしています。
昨年に十和田市の江渡さん(プルプルファーム)のツテで頂いたビニールハウスの部材を半分流用して建てたトンネル状のビニールガレージ。
多少の風雪なら凌げるし、部材も守られて快適です。
朝イチで角材を載せる台を出します。
ベニヤ板に切り込みを入れて組んだだけの作業台ですが、外せばただの板になるし、この上に天板を載せればテーブルにもなるという万能ぶり。
ビールケースは短い部材を載せるのにちょうど良かったりします。
この時期、基本的に相手にしているのは木造建築の骨組みになるこれらの角材。
平均すると100ミリ角で4mくらいの長さがあります。
主に土台や柱になります。
これらはご縁あって、とあるお家の解体時に納屋に眠っていた手付かずのもの。
所有林を伐採&製材したときの余りのようで、角が出てなかったり、古くなって割れや反りがあったりする角材たちですが、日本古来の建築ではなんのその。
立派な構造体になります。(古民家などの天井には、丸太そのままや曲がった梁もありますよね)
西洋由来のパネル工法(2×4=ツーバイフォー)だとなかなかこうはいきませんが、日本の在来軸組工法では違います。
経年の汚れで見た目はイマイチですが、カンナで削ればピカピカの木肌が出てきます☆
これらは我が家で立派な財産であり、眠れる獅子たちです_笑
作業場に収まりきれない部材はコチラ。
ほとんど頂き物で作った単管パイプのテントです。(3本だけ自分で購入)
4mの長さの部材が楽に入ります。
雪の重みに耐えれるよう、ビニール屋根の内側に板を渡し、強風で飛ばないように水を入れた廃材タンクやオイル缶で張り綱をとってます。
ここのスペースには主に、これまたご縁あって古民家を解体した時に出た丈夫な梁をストック。
日本伝統工法で組み上げられていたこの梁、厚みは通常の柱の3倍もあります(めちゃめちゃ重たい)。
柱を貫通させて、楔(くさび)を打って固定する、釘などの金物類を一切使用しない工法の加工跡があります。
神社仏閣も同じような伝統工法で建てられていますが、今の建築基準法で素人がこの伝統工法で家を建てるのはほぼ不可能です。(厳しい書類審査あり)
日本の伝統的な建築ができないという、ちょっとおかしな日本の法律なんです_涙
(ほんとはこの梁を利用して、伝統工法で建てたかった…)
さて、これを人力で棟上げができるのか?!
みなさん、ぜひそのときはヘルプミーm(_ _)m!
機械にはホント助けられてます。
機械ってモノにもよりますが、現代文明では人力の最大1,400倍もの仕事をするらしい。
一人の人間が3年かかるような作業をたった1日で終わらせちゃう。
100馬力のトラクターは、1,000人の力に匹敵するらしい。
その仕事率で大体の機械の値段は決まってる感じですよね。(橋やトンネル工事に使う重機とかって億単位のものもあるし)
こちらはカクノミ(角のみ)というマシン。
今の住まいを2010年にセルフビルドする時にヤフオクで購入(送料込みで1万円くらい)。
鋼鉄の四角いノミ(先端は鋭くほとんど刃物)の中にキリが内蔵されていて、作動させるとこのキリが回転して木材を円形に彫ります。
残った角の部分をノミ部分で切るというか削るというかして四角い穴(ホゾ穴♀)を開けます。
こんな風に加工して、そこに柱などのホゾ♂を差し込むわけです。
これを全てノミをカンカン叩いてやっていてはなかなか進みませんので、なんとか機械で時間短縮&ラクさせて頂いてる次第です。
でも仕上がりに関しては、カンカンうちの切れないノミで叩いた方が断然キレイです☆
嗚呼、よく切れるノミが欲しい〜。(けどお高い〜)
カクノミには、一定の深さで彫れるようにストッパーのネジ(画像上部)があるのですが、目盛りがないのでこうして深さに応じたガイドを作り、それを当てがって設定すると便利です。
あと、カクノミは穴開け中にそのパワーで木材や機械がズレないように両側から万力で締め付けるのですが、木割れがあるとそのときだけ割れが縮んで寸法が狂います(墨出しよりも大きな穴が彫られちゃいます)。
それを防ぐために割れ目にこうして飼木(かいぎ)を挟みます。
なので木材加工で出てきたこんな木っ端も簡単には捨てれません_笑
他に重宝してる工具はこの丸ノコ。
奥の赤い丸ノコは頂き物で、切る深さを45mmに固定して使ってます。
(45mm深の溝を作るときにイチイチ調整しなくて済みます)
回転する刃であっという間に両断してくれます。
回転系の工具を使うときのゴーグルは必須です。
たまにですが、切られた木材チップがすごいスピードで目に飛んできます。
これまで何度目をやられて悶絶したことでしょうか_笑
木の一番硬い部分、節の部分のカケラが飛んで来た日にゃ、ホッペに当たっても涙が出ます。
でも、そんな便利な電動工具でも細かい部分は加工できません。
こんな感じの鋭角部分のホゾ穴や…
ちょっと複雑なホゾを作るには…
やはり昔ながらの鋸(のこ)と鑿(のみ)の出番です。
こういうムズいようで普遍的なところが日本建築のステキな部分だと思ってます。
最後にはちゃんと人の手仕事があります。
私の場合、鑿を打つときはゴムハンマー(画像中央)を使います。
打ち込みのパワーはゴムにより減少しますが、間違って手を打った時のダメージが最小限で済みます。
ちなみに画像左はミニサイズの掛矢(かけや)。
加工した木材を試しに組んでみるときに、木を傷つけないようにこいつで叩きます。
画像右は普通の金槌。
釘を打つのに使ってます。
鋸にはタテ引きとヨコ引きがあります。
木材の繊維方向に沿って切るときはタテ引き(画像右)、繊維を分断するように切るときはヨコ引き(左)を使います。
機械も道具もホントよくできてますよね。
電動工具は消費電力が大きい(カクノミなんて1000W近い)ので、基本的にこのガソリン発電機を使って動かします。
今の時期はとにかく機械が冷えているので、始動時は点火が安定するようにチョークをゆっくり開いてやるといいみたいです。(濃度の高いガスを長めに出してあげる)
ちょっとしたことなんですが、これをしないと電動工具のスイッチを入れた途端に止まってしまうことがあります。
今後工具を購入するとしたら、こちらのインパクトドライバーのようにリチウムイオンバッテリーで駆動するものにシフトしていければと思っています。
同じメーカーで揃えればバッテリーを使い回せますし、コードレスなのもいいですよね。
バッテリー充電なら100Wくらいの消費電力なので、うちの太陽光パネルでも十分まかなえます。
ガソリンのようなランニングコストがかからないのはかなり魅力的だなぁとケチな心を増幅中です。
木材加工で切り落とした木材は室内へ。
薪ストーブにくべられて部屋を暖めてくれます。
角材を丸々入れておけばしばらく火持ちします☆
人間だけでなく、越冬中の鉢植えも温めます。
これをしないとローズマリーなどはこの寒波で死んじゃうのです。
カクノミの削りクズまで取っておいて焚き付けに利用しちゃいます。
ケチついでにこちらもどうぞ。
墨付けに使う鉛筆は、持つのさえ困難なくらいに短くなっても使っています_笑
毎日休まず、コツコツと作業を続け、一本一本着実に出来上がっていく部材たち。
今で土台部分の半分以上は進んだでしょうか。
作業中に多少の変更を加えたり、メモ書きしたりしながらの設計図(土台部分)はすでにこんな状態_笑
現在、2枚目に突入してます。
また進展ありましたら、大工道具の紹介もしつつレポートします〜!
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