桜も散り、5月に入りましたが未だに家作り作業は継続中。
(ようやく梁加工の大詰め、嫁さんも頑張ってマス!)
廃材建築は良くも悪くもこういうことが起きる。
部材の長さがわずかに足らず、めっちゃ短い部材で継手(腰掛鎌継ぎ)をやるの図。
余計に作業が増えるのですが、その分経験値は増えます_笑
そんな大工作業、基本的に屋外作業なんですが、冬場は多少の降雪もお構いなしに作業ができます。
部材が濡れてしまうこともなく、雪をホウキで掃けば問題なしです。
しかしこうも暖かくなってくると、雪は雨に変わります。
雨に濡れると部材の墨線もにじんでしまうし、電動工具が壊れたり、感電してしまったりするかもしれません。
そんなわけで雨の日は潔く、大工作業はやめにして雑仕事となります。
ポジティブに考えれば、雨の日は普段サボりがちな仕事を完遂するチャンスです☆
この日は、大工道具のお手入れ。(本当は毎回の始業時にやるべきなのですが_笑)
ノミやナタの刃を研いでみたり、墨壺の糸を交換したり…
そしてこれまでずっとやっていなかった、
ノミ(叩きノミ)ってのは、柄の端っこに金属の輪っかがはめられています。
この輪っかのことを「カツラ」と言います。
これを落とさないで、ガシガシ叩いて作業をし続けると…
カツラが潰れてしまいます。
画像は15年前くらいに何も知らずにホームセンターで購入し、一心不乱に叩いちゃったもの。
こうなっては鉄が変形してしまい、柄からポロっと外れて使い物にならなくなります。
うーん、このノミは恥ずかしくて人に見せたくない…
って素人の私も思ったものですが、
この金輪の役割は「木の柄が割れないためのもの」。
木の柄だけじゃ、その繊維方向に向かって叩いていけばいつか割れちゃうので(薪を割るのような感じかしら)、金属の輪っかでそれを防ぎましょうということ。
そんな意図があるとはつゆ知らず、この金属の輪っかを叩くもんだとばかり思っていたかつてのワタクシ☆
当時のワタクシは散々叩かれて変形したカツラを眺めては、「いい感じに使い込まれてきたじゃねぇか」と悦に入っていたのでした。 ← オーマイゴット
んじゃなんで最初からカツラを落とした状態で売ってないんだよー!っていうツッコミは懐にしまい、さて、カツラ落としといきましょう。
用意するののは、丸棒タイプのヤスリ。
ノミのカツラを金槌でコンコン叩いて外したら、このヤスリでカツラを落とす分だけ削ります。
ゴリゴリゴリゴリ…
ふぅ… だいたいこんなもんだろうか。
さぁ、カツラをはめてみよう。
うん、…ちょっと落としすぎちゃったようだ。
(良い子のみんなは一気に削らず、ちゃんと確認しながらやろうぜ)
けどまぁいいでしょ。
あとはこのカツラからはみ出た部分を金槌で叩いてなめしていけばOK。
これでノミを叩いていても、カツラが痛むことなく、そして柄がパカっと割れることもない。
大工仕事で使ううちにこのカツラは自然に下へ下がっていきます。
こうすることでノミの寿命は飛躍的に長くなります。
昔ながらのハンドツールというのは手入れさえすれば、一生モンの道具になりうる。スバラシイ!
ちゃんとカツラ落としがされたノミたち。
(一番左のはスゴいことになってるね_笑)
ここに並んでいるのはすべて、かつて大工だった人から頂いたもの。
大工だった家主さんが在来工法で建てた家(築70年)が解体されるときに頂いたものもあります。
家主さんはすでに他界されているけど、その遺されたノミ。
これがまた研いだらめっちゃ彫れるんですよね☆
こういったものを上手に、大事に受け継いでいきたいなぁとシミジミ…
そんなわけでして、雨の日の雑仕事もいいもんです。
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